全部を始めると、全部が止まる
公式アカウントを始めるとき、「とりあえず主な SNS は全部作っておこう」と考える会社は少なくありません。ところが、SNS ごとに向いている投稿の形も、読まれる文の長さも、必要な画像や動画も違います。兼務の担当者が 4 つも 5 つも回そうとすると、1 つずつにかけられる時間が減り、どれも更新が止まりがちになります。
更新の止まったアカウントは、見に来た人に「この会社は今も営業しているのだろうか」という印象を与えかねません。最初は 1 つ、多くても 2 つに絞って、続けられる形を作ることをおすすめします。
選ぶ基準は 3 つ
最初の SNS は、次の 3 つの基準で選びます。
| 基準 | 確かめること |
|---|---|
| 届けたい相手がいるか | その SNS を、届けたい年代や立場の人が使っているか |
| 出せる素材があるか | その SNS の得意な形(文章・写真・縦長の動画)で、出し続けられる素材があるか |
| 続けられる手間か | 1 本を作る時間が、週に使える時間に収まるか |
3 つ全部に当てはまる SNS が、最初の 1 つの候補です。相手がいても素材が無ければ続きませんし、素材があっても相手がいなければ届きません。
基準 1:届けたい相手がいるか
まず、公式アカウント運用の戦略 で決めた届けたい相手が、どの SNS を使っているかを確かめます。公的な調査として、総務省の 令和 7 年版 情報通信白書 に、年代別の利用率がまとめられています。2024 年の調査の数字は次のとおりです。
| 年代 | 𝕏(エックス)の利用率 | Instagram の利用率 |
|---|---|---|
| 10 代 | 62.1% | 75.0% |
| 20 代 | 78.0% | 78.0% |
| 30 代 | 61.6% | 70.5% |
| 40 代 | 48.7% | 67.0% |
| 50 代 | 43.6% | 52.7% |
| 60 代 | 22.1% | 34.7% |
| 全体 | 50.3% | 60.9% |
同じ白書では、LINE の利用率は全体で 94.9%、60 代でも 91.1%(いずれも 2024 年)とされています。白書は、𝕏 と Instagram について、若い世代ほど利用率が高い一方で、50 代でも 4 割以上が使うなど幅広い年齢層に広がっているとまとめています。
ここから言えるのは、若い世代を中心に届けたいなら 𝕏 や Instagram は有力な候補で、50 代以上にも一定の利用者がいる、ということです。ただし、この数字は「使っているかどうか」で、企業の投稿を読むかどうかではありません。自社の相手に近いお客さまに「普段どの SNS を見ていますか」と聞いてみると、より確かな手がかりになります。
基準 2:出せる素材があるか
SNS ごとに、得意な投稿の形が違います。自社が無理なく出し続けられる素材と合う SNS を選びます。
| SNS | 得意な形 | 向いている素材の例 |
|---|---|---|
| 𝕏 | 短い文章。画像は 4 枚まで | 日々の気づき・お知らせ・よくある質問への答え |
| Threads | 文章を中心にした会話 | 考えていること・仕事の工夫・問いかけ |
| 写真・縦長の動画(リール) | 商品・料理・施工の前後・店の雰囲気 | |
| Facebook ページ | 文章と写真でまとまった情報 | イベントの報告・地域とのつながり・会社のお知らせ |
| 仕事の話題の文章 | 業界の知見・会社の取り組み・採用 | |
| YouTube ショート・TikTok | 縦長の短い動画 | 作業の様子・使い方の実演・ビフォーアフター |
写真を撮る機会が多い業種(飲食・美容・住宅・小売)は Instagram、文章で伝えることが多い業種(士業・BtoB・専門サービス)は 𝕏 や LinkedIn、動画を撮れる人がいるなら短い動画の SNS、のように考えると選びやすくなります。各 SNS の仕組みは、Instagram のおすすめの仕組み や Threads の基本 などで詳しく説明しています。
基準 3:続けられる手間か
最後に、1 本を作る手間を見積もります。文章だけの投稿は 15〜30 分で作れることもありますが、写真を撮って選び、加工する投稿や、動画を撮って編集する投稿は、その何倍もかかることがあります。
週に使える時間を、1 本の手間で割ると、続けられる本数が出ます。その本数が、その SNS で続けるのに十分かを考えます。流れの速い SNS で週 1 本では目に触れる機会が少なく、動画の SNS で週 5 本は多くの会社で負担が大きすぎます。頻度の考え方は 投稿頻度の決め方 で説明しています。
2 つ目に広げるとき
1 つ目の SNS で、決めた頻度を 2〜3 か月続けられたら、2 つ目を考えます。広げ方には 2 つの方向があります。
1 つは、同じ素材を生かせる SNS に広げる方向です。短い文章を出しているなら 𝕏 と Threads、写真を出しているなら Instagram と Facebook ページは、素材の形が近く、少ない手間で広げられます。ただし、同じ文をそのまま出すより、SNS ごとに文の長さや言い回しを少し変えるほうが、それぞれの読み手に合います。
もう 1 つは、別の相手に届く SNS に広げる方向です。たとえば Instagram でお客さまに届けている会社が、採用のために LinkedIn を足す、といった形です。この場合は、素材も書き方も別に考える必要があるので、手間は大きくなります。
どちらの場合も、2 つ目を始めたことで 1 つ目の頻度が落ちていないかを確かめます。落ちているなら、まだ広げる時期ではありません。
アカウントを作っておくだけでもよいか
使う予定のない SNS でも、会社名のアカウントだけは作っておく、という考え方があります。他人に会社名を使われるのを防ぐ意味はありますが、作ったアカウントにも 乗っ取り対策 は必要です。使わないアカウントほどログインの確認がおろそかになりがちなので、作るなら 2 段階認証まで設定しておきます。プロフィールに「主な発信は〇〇で行っています」と書いておくと、見に来た人を迷わせません。
SNS TOWN でつなげる SNS
SNS TOWN では、2026 年 10 月時点で 𝕏・Threads・Instagram・Facebook ページ・LinkedIn をつないで、1 つの画面から投稿を作り、予約できます。Instagram はプロアカウント、Facebook はページ、LinkedIn は個人のプロフィールが対象です。YouTube ショートと TikTok は準備中です。SNS ごとにできることは つなげる SNS で説明しています。
作成画面は、ヘッダーで選んだアカウントの SNS に合わせて、文字数の数え方や付けられる画像の枚数、投票やスレッドの有無が切り替わります。2 つ目に広げるときは、同時投稿 で 𝕏 と Threads、Facebook ページと Instagram を組にして、1 回の操作で両方に出せます。つなげるアカウントの数はプランによって違い、料金 で確かめられます。つなぎ方は SNS アカウントをつなぐ で説明しています。

よくある質問
最初から複数の SNS を始めてはいけませんか
担当者の時間に余裕があれば問題ありません。ただし、兼務の担当者が 1 人で回すなら、まず 1 つで続けられる形を作り、2〜3 か月後に広げるほうが、どれも止まらずに済みます。
年代別の利用率だけで SNS を選んでよいですか
利用率は手がかりの 1 つです。使っている人が多くても、自社の素材がその SNS の形に合わなければ続きません。相手・素材・手間の 3 つで選ぶことをおすすめします。
LINE 公式アカウントはどう考えればよいですか
LINE は利用率が非常に高く、すでにお客さまになった人へ連絡する手段として強みがあります。一方、SNS TOWN では LINE 公式アカウントは扱っていません。新しい人に知ってもらう SNS と、お客さまに連絡する LINE は、役割を分けて考えるのがおすすめです。
同じ投稿を複数の SNS にそのまま出してもよいですか
出すこと自体はできますが、SNS ごとに文字数や読まれる文の長さが違います。短い SNS 向けの文を長文の SNS にそのまま出すと物足りなく、逆だと途中で切れることがあります。少なくとも文の長さと最初の 1 文は SNS ごとに見直すのがおすすめです。
使っていないアカウントは消したほうがよいですか
更新の止まったアカウントが検索で見つかると、見に来た人を迷わせます。使う予定がなければ、プロフィールで主な発信先を案内するか、消すことを考えます。残すなら、乗っ取りを防ぐための設定は必ずしておきます。
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