分析は「次の 1 本を直す」ためにする
SNS の分析は、数字を眺めて安心したり落ち込んだりするためのものではありません。分析の目的は、次に出す投稿を 1 つ良くすることです。数字を見て「何が効いたか」「何が効かなかったか」の手がかりを見つけ、次の投稿に反映する。この繰り返しが分析です。
だから、見る数字は少なくて構いません。担当者が兼務なら、月に 1 回、30 分で見られる範囲に絞るほうが続きます。続かない分析は、どれだけ丁寧でも次の投稿を変えません。
まず目的を決める
どの数字を見るかは、SNS で何を達成したいかで変わります。来店を増やしたいお店と、採用の応募を増やしたい会社では、大事な数字が違います。目的と数字の関係を表にすると、次のようになります。
| 目的 | 主に見る数字 | あわせて見る数字 |
|---|---|---|
| 知ってもらう | 表示回数、届いた人の数 | フォロワーの増減 |
| 関心を持ってもらう | 反応(いいね・返信・共有・保存) | 表示回数に対する反応の割合 |
| 行動してもらう | リンクのクリック、問い合わせ、来店 | クリック数に対する問い合わせの割合 |
| つながりを続ける | フォロワーの増減、返信の数 | 繰り返し反応してくれる人 |
目的が決まると、見るべき数字が 2〜3 個に絞れます。目標の立て方と、目標にする数字の決め方は 目標と KPI の決め方 で説明しています。
主な数字の意味
表示回数と、届いた人の数
インプレッション(表示回数)は、投稿が画面に表示された回数です。同じ人に 2 回表示されれば 2 回と数えます。リーチ(届いた人の数)は、投稿を見た人の数で、同じ人は 1 人と数えます。SNS によって、どちらを出しているかが違います。
反応
エンゲージメント(反応)は、いいね・返信・共有・保存・クリックなど、投稿に対して人が起こした行動の数です。どの行動を含めるかは SNS ごとに違うので、別の SNS の数字をそのまま比べないようにします。表示回数に対する反応の割合は エンゲージメント率の計算と読み方 で詳しく書いています。
フォロワーの増減
フォロワーの数は、毎日の増減より、月ごとの差で見ます。急に増えた月、減った月に何を出していたかを比べると、合っている投稿が見えてきます。
クリックと、その先の行動
投稿のリンクが押された数は、SNS の外での行動につながる入口です。押された数に対して問い合わせや購入がどれだけあったかは、SNS の中の数字だけでは分かりません。リンクに印を付けて、ホームページ側で数える方法を UTM と短縮 URL で成果を測る で説明しています。
見る順番
数字を見るときは、大きいものから小さいものへ、アカウント全体 → 投稿ごと → 時間帯や形式ごとの順に見ると迷いません。
最初に、アカウント全体の数字を前の月と比べます。表示回数、反応、フォロワーが増えたか減ったかを見るだけです。次に、投稿ごとの数字を、反応の多い順に並べます。上位 3 本と下位 3 本を並べて、何が違ったかを書き出すと、次の投稿で何を変えるかが見えます。最後に、曜日・時間帯、画像や動画のあり・なしで反応に差があるかを見ます。ここまでで 30 分あれば足ります。
比べるときの注意
投稿どうしを比べるときは、条件をそろえます。出した直後の投稿と 1 か月前の投稿を比べると、古いほうが数字が大きく見えます。少なくとも出してから数日たった投稿どうしで比べます。また、1 本だけ大きく伸びた投稿に引きずられないよう、合計だけでなく 1 本あたりの数字でも見ます。
見たあとにすること
数字を見たら、次の月の投稿で変えることを 1 つだけ決めます。「上位の投稿は手元の写真だった。来月は手元の写真を週 1 本足す」「火曜の夜の反応が多かった。週 1 本を火曜の夜に移す」のように、1 つに絞ると、次の月にその変更が効いたかどうかを確かめられます。一度に何個も変えると、何が効いたかが分からなくなります。
見た内容と、変えることは、短い記録に残します。社内や取引先に共有するなら、毎月同じ形のレポートにすると、前の月との比較が楽になります。作り方は 月次レポートの作り方 にまとめています。
よくある読み違い
数字は、読み方を間違えると、正しい行動とは逆の結論を出してしまいます。中小企業の公式アカウントでよく起きる読み違いを 3 つ挙げます。
1 本の大当たりを「勝ちパターン」と思い込む
ある投稿が普段の 10 倍伸びると、同じ形の投稿を続けたくなります。けれども、大きく伸びた理由が、たまたま有名なアカウントに引用されたことや、その日の話題に偶然重なったことだった場合、同じ形を続けても再現しません。1 本の結果ではなく、似た投稿を 3〜5 本出して、平均して反応が多いかで判断します。
合計の増加を、運用の成果と思い込む
表示回数の合計が増えていても、投稿の本数が増えただけなら、1 本あたりの数字はむしろ下がっているかもしれません。本数を変えた月は、合計と一緒に 1 本あたりの数字を見ます。季節で人の動きが変わる業種(年末の贈答品、春の引っ越しなど)は、前年同月と比べると、季節の影響と運用の工夫を分けて読めます。
数字が取れるものだけを見る
SNS の分析画面に出る数字は、SNS の中で起きたことだけです。来店や電話の問い合わせのように、SNS の外で起きた成果は画面に出ません。画面に出ない成果を「なかったこと」にしないために、お店なら「何を見て来店されましたか」と聞く、問い合わせのフォームに「どこで知ったか」の欄を設けるなど、SNS の外で数える方法を 1 つ用意しておきます。
SNS TOWN でできること
SNS TOWN の 分析 は、つないだ 𝕏(エックス)・Instagram・Facebook ページ・YouTube のアカウントの数字を 1 つの画面に並べます。上の段には、左にフォロワー、右に反応(表示・いいね・返信)の折れ線があり、1 週間・3 か月・半年・1 年の期間を選ぶと、前の期間が破線で重なり、前の期間との差が出ます。
その下には、この 30 日に出した投稿ごとの表示・再生・いいね・リポスト・返信を並べた表があり、反応の多い順や表示の多い順に並べ替えられます。曜日と時間帯ごとの 1 投稿あたりの反応、画像・動画のあり/なしでの反応の差もここで見られます。数字は CSV に書き出せるので、表計算ソフトで自社の形に集計できます。
数字は 1 日 1 回読み込み、出した投稿は 3 日目まで毎日、7 日目にもう 1 回読みます。急いで最新の数字を見たいときは「更新」を押します。Threads・LinkedIn・TikTok は、反応を読む許可が SNS 側から出ていないので、いまは数えていません。使えるプランは 料金 で、操作は 分析を見る で確かめてください。
7 日間、無料で試せます。クレジットカードの登録は要りません。
無料で始めるよくある質問
分析は毎日したほうがよいですか
毎日見ても、1 日の数字はばらつきが大きく、判断の材料になりにくいです。月に 1 回、まとめて見て、変えることを 1 つ決めるほうが、次の投稿に生かせます。キャンペーン中や炎上の気配があるときだけ、毎日見るようにします。
数字がどれくらいなら「良い」のですか
業種、フォロワーの数、SNS によって大きく違うので、他社の数字や一般的な目安と比べても判断できません。比べる相手は、自分のアカウントの先月と、自分の投稿どうしです。
SNS ごとに数字の名前が違って混乱します
表示回数・届いた人の数・反応の 3 つに当てはめて読むと整理できます。同じ「エンゲージメント」でも、含める行動が SNS ごとに違うので、SNS をまたいで数字を並べるときは、何を数えているかを確かめてから比べます。
フォロワーが少ないうちは分析しても意味がないですか
意味はあります。フォロワーが少なくても、どの投稿が外の人に届き、どの投稿に反応が集まったかは分かります。数字が小さいうちは差がはっきりしないこともあるので、1 か月単位でまとめて見るのがおすすめです。
分析の数字を上司や取引先に見せるときのコツはありますか
数字を並べるだけでなく、「何が起きたか」「次に何をするか」を 1〜2 文で添えます。毎月同じ形にすると、見る人も前の月と比べやすくなります。
分析の数字は、どのくらいの期間を残しておけばよいですか
少なくとも 1 年分は残しておくと、前年同月と比べられます。SNS の分析画面は、さかのぼって見られる期間が限られていることがあるので、毎月 CSV に書き出して、社内の決まった場所に置いておくと安心です。
投稿の数字と売上の関係は、どうやって見ればよいですか
SNS の数字だけでは売上との関係は分かりません。投稿のリンクに印を付けてホームページ側で数える、来店したお客さまにどこで知ったかを聞く、といった方法で、SNS の外の数字と組み合わせます。月ごとに、投稿の反応と問い合わせの数を並べるだけでも、関係の手がかりになります。
