ネタ切れは「テーマの決め方」の問題
SNS の担当者が一番よく口にする悩みは、ネタ切れです。始めたころは出したいことがたくさんあっても、新商品とお知らせを出し尽くすと、何を書けばよいか分からなくなります。その結果、同じ商品の宣伝を言い換えて繰り返したり、季節の挨拶だけの投稿が増えたりします。
ネタが尽きるのは、話題が無いからではなく、話題を探す場所が決まっていないからです。会社や店の中には、毎日の仕事の工夫、お客さまからの質問、スタッフの経験など、投稿の材料はいくらでもあります。それを拾う枠を先に作っておくのが、テーマの柱です。
柱とは何か
柱は、繰り返し出せる、ある程度広いテーマです。「春の新作ケーキ」は 1 回の投稿のテーマですが、「季節の新作」は柱です。柱の中に、毎回ちがう具体的な話題を入れていきます。
柱は 3〜5 本が目安です。2 本以下だと話題が単調になり、6 本以上だと 1 本ずつの登場回数が少なくなって、何のアカウントか伝わりにくくなります。
柱には、大きく分けて次の 4 つの種類があります。
| 種類 | 何を出すか | 役割 |
|---|---|---|
| 役に立つ | 使い方・選び方・よくある質問への答え | 読む人の困りごとを解決し、保存や共有を生む |
| 人柄が伝わる | 仕事の裏側・スタッフ・こだわり | 会社や店に親しみを持ってもらう |
| 商品・サービス | 新商品・実例・料金の考え方 | 買う・頼むきっかけを作る |
| お知らせ | 営業日・イベント・キャンペーン | 必要な情報を確実に届ける |
この 4 つから組み合わせて、自社の柱を作ります。商品・サービスとお知らせだけで柱を作らないことが大切です。宣伝だけが続くアカウントは、フォローしておく理由が弱くなります。
柱の見つけ方
お客さまの質問から探す
電話・メール・店頭・問い合わせフォームで、何度も聞かれることを書き出します。何度も聞かれることは、まだ聞いていない人も知りたいことです。この中から「役に立つ」柱が見つかります。
仕事の流れから探す
商品やサービスがお客さまに届くまでの流れを、仕入れ・準備・作業・仕上げ・お届けのように分けて書き出します。普段は見えない工程は、それだけで投稿になります。ここから「人柄が伝わる」柱が見つかります。
自社にしか言えないことから探す
同業他社と比べて、自社が違う点を書き出します。地域、創業の経緯、職人の経験、使っている材料など、その会社にしか書けない事実です。どの柱にも、この事実を混ぜると、一般論の投稿にならずに済みます。
業種別の柱の例
考え方をつかむための例です。そのまま使うのではなく、自社の言葉で書き直してください。
| 業種 | 柱の例 |
|---|---|
| 飲食店 | 季節のメニュー・仕込みの裏側・食材の産地・スタッフの紹介・営業日のお知らせ |
| 美容室・サロン | 施術の実例・家でのお手入れ・スタッフの得意分野・予約の空き状況 |
| 住宅リフォーム | 施工の前後・よくある傷みと点検の時期・費用の考え方・職人の紹介 |
| 製造業(BtoB) | 技術の解説・製品の使われ方・工場の設備・展示会のお知らせ |
| 学習塾・教室 | 学び方のコツ・教室の様子・講師の紹介・季節講習の案内 |
| 採用広報 | 働く人の 1 日・職場の雰囲気・入社までの流れ・募集のお知らせ |
業種ごとの使い方は、飲食店の SNS 運用 などの活用シーンのページでも紹介しています。
配分を決める
柱が決まったら、月の投稿の中でそれぞれをどのくらい出すかを決めます。決まった比率の正解はありませんが、宣伝とお知らせを全体の半分以下に抑えると、読む側にとって価値のあるアカウントになりやすくなります。
たとえば週 3 本・月 12 本なら、役に立つ 4 本、人柄が伝わる 3 本、商品・サービス 3 本、お知らせ 2 本のように割り振ります。キャンペーンや新商品の時期は商品の割合を増やし、その分ほかの時期に役に立つ投稿を増やして、月をまたいで釣り合いを取ってもかまいません。
配分は 投稿カレンダー の月の段で決め、週の段で曜日に当てはめます。曜日ごとに柱を固定する(月曜は役に立つ、金曜はお知らせ、など)と、毎週の計画がさらに楽になります。
柱を書き出す形
柱が決まったら、1 本ごとに次の 4 つを書き出して、チームで共有しておきます。書き出しておくと、担当者が替わっても同じ柱で続けられ、AI に下書きを頼むときの材料にもなります。
| 書くこと | 例(住宅リフォームの「よくある傷みと点検の時期」) |
|---|---|
| 柱の名前 | よくある傷みと点検の時期 |
| 誰の何に役立つか | 築年数のたった家に住む人が、点検の時期を判断できる |
| 入れる事実の出どころ | 現場で見た傷み・職人の経験・点検の手順 |
| 避けること | 不安をあおる言い方・根拠のない「今すぐ」 |
「避けること」まで書いておくのがポイントです。柱によっては、言い過ぎると読む人を不安にさせたり、誤解を招いたりする話題があります。先に書いておけば、急いで書いた日にも同じ基準で確かめられます。
1 本の柱から話題を広げる
柱を決めても、同じ話題を繰り返すと読む側は飽きます。1 本の柱から話題を広げるには、切り口を変えます。
同じ「季節のメニュー」でも、完成した料理の写真、食材の仕入れの様子、作り方の一部、お客さまの感想、合う飲み物の提案、と切り口を変えれば、何回も出せます。話題は同じでも、構成と言い回しは毎回変えることが大切です。似た文の使い回しは、SNS によってはスパムとして扱われ、見られにくくなります。
反応を見て柱を入れ替える
柱は、2〜3 か月ごとに見直します。柱ごとに、1 投稿あたりの反応の平均を比べると、どの柱が読まれているかが分かります。
反応が少ない柱は、すぐに捨てるのではなく、まず切り口や見せ方を変えて試します。それでも反応が上がらなければ、別の柱と入れ替えます。柱ごとに数字を比べるには、投稿に柱の名前を付けておく必要があります。付けていないと、あとから 1 本ずつ見直して分ける手間がかかります。
反応がよい柱でも、それだけに寄せすぎないようにします。たとえばお客さまの実例がよく読まれても、実例ばかりになると、店のことを知らない新しい人には伝わりにくくなります。
SNS TOWN で柱を運用する
SNS TOWN では、柱を AI の下書きの材料として持たせられます。会社の情報 に、柱の名前と、それぞれで何を出すかを書いておくと、AI は投稿サイクルの枠ごとに、その中身を読んで下書きを書くので、柱に沿った話題になりやすくなります。いま知らせたい話題は「伝えたいこと」に足しておけば、下書きの材料に加わります。
曜日ごとに柱を固定したいときは、投稿サイクル の枠ごとに「この枠で書くこと」を入れます。月曜の枠に「よくある質問への答え」、金曜の枠に「週末の営業のお知らせ」と書いておけば、AI はその枠では決めた柱で書きます。空のままなら、最近の投稿と重ならない話題を AI が選びます。素材庫に入れた資料や写真も、下書きの材料になります。
柱ごとの数字を比べるには、投稿の社内メモとタグ を使います。投稿に柱の名前をタグとして付けておくと、投稿の一覧をタグで絞り込めます。よく使う書き出しや定型の案内は 定型文 にしておくと、柱ごとの投稿を速く作れます。会社の情報の書き方は 会社の情報を書く で説明しています。

よくある質問
柱は何本がよいですか
3〜5 本が目安です。少なすぎると単調になり、多すぎると 1 本ずつの登場回数が減って、何のアカウントか伝わりにくくなります。
商品の宣伝だけで柱を作ってはいけませんか
いけないわけではありませんが、宣伝ばかりのアカウントはフォローしておく理由が弱くなります。役に立つ情報や、人柄が伝わる投稿を混ぜると、宣伝の投稿も読まれやすくなります。
柱の配分は毎月同じにしたほうがよいですか
基本の配分を決めておき、キャンペーンなどの時期だけ変えるのがおすすめです。毎月大きく変えると、柱ごとの数字を比べにくくなります。
SNS ごとに柱を変えてもよいですか
変えてかまいません。画像が中心の SNS では見た目の伝わる柱を多めに、文章が中心の SNS では役に立つ柱を多めに、のように、SNS の性格に合わせて配分を変える方法もあります。柱そのものは共通にしておくと、管理が楽です。
柱を見直すタイミングはいつですか
2〜3 か月ごとが目安です。柱ごとの 1 投稿あたりの反応を比べ、反応が少ない柱は切り口を変えて試し、それでも変わらなければ入れ替えます。
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