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計画と戦略

公式アカウント運用の戦略の立て方:目的・相手・続け方を 1 枚に決める

SNS の戦略というと大げさに聞こえますが、中身は「何のために、誰に、何を、どのくらいの頻度で出し、何で良し悪しを判断するか」を先に決めておくことです。このページでは、兼務の担当者でも 1 枚に書ける形で、決める順番と考え方を説明します。

更新 2026/10/318 分で読めます

戦略がないと何が起きるか

公式アカウントを任された担当者が最初につまずくのは、何を出せばよいか分からないことです。とりあえず新商品やお知らせを出し始めても、ネタが尽きた週から投稿が止まり、数か月後には「やっているけれど効果が分からない」状態になります。上司に成果を聞かれても、何と比べて良いのか悪いのかを言えません。

これは担当者の努力不足ではなく、最初に決めておくべきことが決まっていないのが原因です。目的が決まっていなければ、どの数字を見ればよいかも決まりません。届けたい相手が決まっていなければ、どんな言葉で書けばよいかも決まりません。戦略とは、こうした判断の基準を先に置いておくことです。

決めておけば、毎回の投稿で迷う時間が減ります。「この投稿は目的に合っているか」「この相手に届く言葉か」と照らし合わせるだけで済むからです。担当者が替わっても、同じ基準で続けられます。

決めることは 5 つ

戦略として決めるのは、次の 5 つです。順番に意味があり、前のものが決まらないと後ろのものが決まりません。

  1. 目的:SNS で何を良くしたいのか
  2. 届けたい相手:誰に読んでほしいのか
  3. 出すもの:どんなテーマを、どの SNS で出すのか
  4. 続け方:誰が、どのくらいの頻度で、どう確認して出すのか
  5. 測り方:何の数字で、いつ振り返るのか

それぞれを詳しく見ていきます。

1. 目的を 1 つに絞る

SNS でできることは、知ってもらう、来店や問い合わせにつなげる、採用で応募を増やす、既存のお客さまとの関係を保つ、問い合わせ対応の窓口にする、などいろいろあります。全部を同時に狙うと、投稿の中身がばらばらになり、どれも中途半端になります。

まずは一番大事な目的を 1 つ決め、残りは「できればよいもの」として下に置きます。たとえば地域の飲食店なら「近くに住む人に店を知ってもらい、来店のきっかけを作る」、BtoB の製造業なら「取引先の担当者に技術力を知ってもらい、問い合わせの候補を増やす」、採用が課題の会社なら「求職者に職場の雰囲気を伝える」のように、事業の課題から逆算して書きます。

目的は、事業全体の目標とつながっていることが大切です。「フォロワーを 1 万人にする」は目的ではなく、目的に近づいているかを見るための数字の 1 つです。数字の決め方は 目標と KPI の決め方 で詳しく説明しています。

2. 届けたい相手を具体的に書く

次に、投稿を読んでほしい相手を書きます。「20〜40 代の女性」のような属性だけでなく、その人がどんな場面で SNS を開き、何に困っていて、どんな情報なら役に立つと感じるかまで書くと、投稿の言葉が決まりやすくなります。

たとえば住宅リフォームの会社なら、「築 20 年を過ぎた家に住んでいて、外壁の傷みが気になっているが、どこに頼めばよいか分からない人」と書けます。こう書くと、施工の前後の写真、費用の目安の考え方、業者選びで確かめたほうがよいこと、といった投稿のテーマが自然に出てきます。

相手は 1 種類でなくてもかまいませんが、多くても 2〜3 種類に留めます。相手ごとに出す SNS が違うこともあります。年代によって使われている SNS が違うことは、どの SNS から始めるか で公的な調査の数字とあわせて説明しています。

3. 出すものをテーマの柱で決める

目的と相手が決まったら、何を出すかを決めます。ここで大事なのは、毎回思いつきで決めるのではなく、繰り返し出せるテーマを 3〜5 本の「柱」として先に決めることです。たとえば飲食店なら、季節のメニュー、仕込みや調理の裏側、スタッフの紹介、お客さまの声、営業日のお知らせ、のように分けます。

柱があると、ネタ切れが起きにくくなります。「今週は柱 A と柱 C を出す」と決めるだけで、書く内容の半分が決まるからです。柱ごとの割合や作り方は 投稿テーマの柱の作り方 で詳しく扱っています。

あわせて、どの SNS で出すかも決めます。最初から全部の SNS に手を広げるより、相手がいる SNS を 1〜2 つ選んで続けるほうが、少ない人手でも形になります。

4. 続け方を決める

戦略で一番見落とされやすいのが続け方です。SNS は一度にたくさん出すより、決まった頻度で長く続けるほうが、フォローしている人の習慣になりやすくなります。そのためには、誰が書き、誰が確認し、いつ出すのかを先に決めておく必要があります。

決めることは、出す頻度(週に何本か)、出す曜日と時刻、書く人と確認する人、確認の締め切り、の 4 つです。兼務の担当者が 1 人で回すなら、無理なく続けられる本数から始めます。頻度の考え方は 投稿頻度の決め方、時刻の決め方は 投稿時間の決め方 で説明しています。

確認の流れも決めておきます。社外に出る文章なので、誤字や事実の誤り、言ってはいけない表現が入っていないかを、出す前に誰かが読む仕組みがあると安心です。確認する人が決まっていないと、急ぎの投稿ほど確認なしで出てしまいます。

5. 測り方と振り返りの時期を決める

最後に、何の数字で良し悪しを判断するかと、いつ振り返るかを決めます。目的が「知ってもらう」なら表示回数や届いた人の数、「来店や問い合わせ」ならプロフィールのリンクのクリックや問い合わせの数、というように、目的ごとに見る数字が変わります。

振り返りは月に 1 回が目安です。毎日数字を見て一喜一憂するより、月ごとにまとめて、どの柱のどんな投稿がよく反応をもらったかを見るほうが、次の月の計画に生かせます。数字の読み方は SNS 分析の基本、まとめ方は 月次レポートの作り方 で扱っています。

1 枚にまとめる

5 つが決まったら、1 枚の紙かドキュメントにまとめておきます。長い企画書は要りません。次のような表の形で十分です。

項目書き方の例(地域の洋菓子店)
目的店から車で 20 分圏内の人に店を知ってもらい、来店を増やす
届けたい相手誕生日や手土産のケーキを探している、近所に住む子育て世代
出すもの季節の新作・仕込みの様子・誕生日ケーキの実例・営業日のお知らせ
出す SNSInstagram を中心に、同じ内容を Facebook ページにも
続け方週 3 本・火木土の 12 時。店長が書き、オーナーが前日までに確認
測り方月ごとの保存数・プロフィールのリンクのクリック・来店時の「SNS を見た」の声

この 1 枚は、上司や店のスタッフと共有しておきます。共有しておくと、「こういう投稿もしてほしい」という要望が来たときに、目的と柱に照らして判断できます。また、担当者が替わったときの引き継ぎ資料にもなります。

戦略は見直すもの

最初に決めた戦略が正しいとは限りません。3 か月ほど続けてみると、思っていたより反応がある柱、ほとんど反応がない柱、届いている相手の違いなどが見えてきます。そのときは戦略を書き換えます。

見直すときも、全部を一度に変えないことが大切です。目的はそのままにして、柱の割合や出す時刻だけを変える、のように 1 つずつ変えると、何が効いたのかが分かります。逆に、毎月目的を変えていると、数字を比べられなくなります。

SNS TOWN で戦略を回す

SNS TOWN では、ここで決めた 5 つを、画面のどこに入れればよいかが決まっています。目的・届けたい相手・言葉づかいの決まりは 会社の情報 に書き、いま知らせたいことは「伝えたいこと」に足します。AI が下書きを書くときは、この 2 つを読んで書くので、戦略に沿った下書きが並びます。

続け方は 投稿サイクル で曜日と時刻の枠として置き、確認の流れは下書きモードで人が承認してから出す形にできます。会社・ブランドが複数あるときは、それぞれに別の会社の情報と枠を持てます。測り方の振り返りには 分析 の画面を使い、月ごとの動きを見て、次の月の柱や時刻を決め直します。

よくある質問

戦略を決めるのに、どのくらい時間をかければよいですか

最初は半日から 1 日で十分です。完璧な戦略を作ろうとして始めるのが遅れるより、仮の戦略で始めて 3 か月後に見直すほうが、実際の数字をもとに直せます。

目的が複数あって 1 つに絞れません

一番困っている事業の課題を 1 つ選び、それを主な目的にします。残りの目的は、柱の 1 本として入れる形にすると、全体がぶれません。たとえば集客が主な目的で採用も気になるなら、柱の 1 本を「スタッフの紹介」にします。

1 人で運用しているのですが、確認する人がいません

自分で書いた文を、時間を置いて読み直すだけでも誤りは減ります。書いた日に出さず、翌日に読み直してから出す、と決めておくのがおすすめです。予約投稿を使えば、書いたあとに読み直す時間を取りやすくなります。

競合の会社のアカウントは参考にしたほうがよいですか

同じ業界のアカウントがどんな柱で出しているか、どんな投稿に反応が集まっているかを見るのは役に立ちます。ただし、文章や写真をまねるのではなく、テーマの選び方や頻度を参考にする程度に留めます。

戦略は社内で共有したほうがよいですか

共有をおすすめします。上司や現場のスタッフが目的と柱を知っていると、投稿のネタになる出来事を教えてもらいやすくなり、急な要望にも判断の基準をもって応えられます。

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